オペラ勧進「歌と芸術よもやま話」
2019年 03月 18日
オペラ勧進 No.128 2019年3月15日(金)
今月の一言 省略の教え
特定非営利活動法人オペラ彩 和田タカ子
山がそっくりキャンバスに入るわけないだろう。じゃどうする?
それを閉じ込めて、無理なく見せるのが省略であり、絵を描くことなんだ
(朝日新聞 2019年2月20日)
絵を描く上で大きな影響を受けた先生の言葉として、尊敬する画家、野見山暁治さんが、【語る―人生の贈りもの―3 『「省略の」の教え まるで手品』】で、紹介されています。野見山さんは、「壮大な世界を目の前に持ってくる絵は、まるで手品みたいだなと思いました。」とその折の感動を綴っておられました。
私の忘れられない思い出、小学1年生の時のことです。友達の家の庭の木とその先の家を描きたいと頑張ったのですが、どうしても描くことができませんでした。初めてのお会いした絵画の専門家、税務大学校で合唱指導をしていた折にご一緒した美術クラブの先生に、自分の思いをぶつけてみました。「…ん、才能がなかったのね。」で終わりました。
「省略」は今、私の新たなテーマです。言葉を伴った演奏は言い換えればまさにその連続です。オペラは省略なくしては成り立ちません。しかし、「省略」が吉と出るか凶と出るか、それはかなり難しい選択であることには違いありません。
# by operasai | 2019-03-18 23:08 | オペラ勧進 | Comments(0)